関西百名山

野坂岳



山頂で記念写真
 報告者   :  西川栄治 
 山  名 野坂岳  山行名 個人山行
 ルート 山集落登山口より入り野坂岳に登りいこいの森におりる。
 山行日  平成23年6月24日(金)  天候  曇り時々晴れ
 参加者  CL : 西川栄治  SL : 石橋伸一

男性 : 佐坂、 秋月、 石田、 佐々木(康)、 津田、 山下
女性 : 加藤、 樺山、 徳田(幸)、 山田

合計 : 12名  
 ルート概略図とコースタイム
 山集落(8:50/10:00)−第二鉄塔(10:45)−第四鉄塔(11:45)−野坂岳山頂(13:00/13:15)−三ノ岳(13:20)−一ノ岳(13:50)−行者岩(14:05)ートチノ木地蔵(14:35)−いこいの森登山口(15:10)
 山行報告

610分松井が丘バス停で6名が乗り合計12名にて出発。薄日のさす天候でまずは順調なスタートとなる。

730分白髭神社近くのコンビニで下山直後の『お楽しみ』を買い込む(トイレ休憩)。

810分粟野の交差点辺りで山頂に雲のかかる野坂岳を望む。周りの山と一つになってどっしりとした姿に見とれる。山行中の一つの目標でもある 第四鉄塔も見える。

・登山口までは昨年4月の例会と全く同じ時間に到着するも、乗車してきたバスの方向転換時のトラブルもあって、主担当の佐坂さんを残して残りの 11人でとりあえず、山行を開始。途中、佐坂さん/秋月会長の携帯にて、レスキューを依頼したバスのその後の情況を確認しながら山頂を目指す。

12時、山行ルートが北向きに変わった稜線の木陰にて、遅めの昼食をとる(〜1230)。

914mの頂上にて、曇り空ながら360度の眺望を楽しんでいる最中にレスキュー完了、バスは、下山口のいこいの森登山口にむかうと佐坂さんより連 絡を受け全員安堵する。

・行者岩とトチの木地蔵の中間地点辺りでいこいの森登山口より登ってきた佐坂さんと合流する。レスキューの情況を皆で話し合いながら下山を続け る。

  ・『超』蒸し暑い中、ほぼ予定時間にて、全山行行程を終え、出発時買い込んだ『お楽しみ』を味わい『敦賀きらめき温泉リラ・ポート』で一時間の入浴を楽しみ同地を16   時40分に出発。19時前には松井が丘バス停に到着、乗車場所に応じて順次下車し解散となる。 
 感想文
 佐々木康治
 

最初にこれは私個人の主観的な山行報告書であり、独断、思い違い、勘違いなど多々あることをお断りしておきます。

普段は朝ゆっくりと寝ているのに、今日は久しぶりに午前5時起き、外はもう明るい。今は1年で一番日照時間の長い時期、朝起きるのが楽なのがいい。午前6時近鉄新田辺駅で拾ってもらう。私は2年間で2回目の参加と、まるで新人並みなので、優しい佐坂さんが人見知りをする私を気遣って、朝の挨拶の時に皆に紹介してくれホッと安堵のため息。元職場での同僚石橋さんの顔もあり、更に安心の度合いが増える。二人とも、走ろう会、山友会の常連で、その精悍な顔つき、そして体が引き締まっているのを見て、普段の節制、鍛錬の賜と畏敬の念を抱く。今日の参加者の平均年齢は計算してみると私と同じ66才、尊顔、尊体を拝見してみると、みんな同世代の人達に比べ、一回り若く見えるのは、山を愛し、山に生きているのがその若さの源であろう。

名神高速、湖西道路を走っていく。ウトウトとして目を開けると大きな海が見える。もう日本海に到着したのかなと思って、前の山を指さし、あれが野坂岳ですかと他の参加者に聞くと、笑って答えない。それもその筈、時計の針はまだ7時半前、私が日本海と思ったのは日本一の湖琵琶湖、まだこれから山越えをして福井に入る大分手前だったのだ。

 登山口までの道路はわかりやすいが、一カ所急カーブを左折して橋を渡る箇所がある。左折は無理と判断した運転手はここで降りて下さいとの冷酷な判決。「いや昨年はもっと奧まで入った」と道を熟知するメンバー達、両者の間で暫しお互い同士譲りたくない意思の齟齬(そご)の時が流れる。気押された運転手がもう一度挑戦してみると今度はハンドルの切り返しもなく簡単に難関を通過。そこから歩けば30分以上あったであろう登山口までは狭いが何とかスイスイと走って皆歩かずにすんだことに喜色満面。

 登山口の駐車場には3,4台の車が停まっているだけで、私達の利用したマイクロバスは何とかUターンできそうに見えたが、車体は意外にも大きくそう簡単に問屋が卸してくれない。運転手は勿論のこと、みんな長年の人生で体得した知恵を結集し、祈る思いで腰痛になる危険性をも省みず、登山で培った体力を総動員して転回に協力したにもかかわらず、いかんせん車体が長すぎ、転回は難儀を極める。「船頭多くして船山に登る」ではないが、約1時間、多くの文殊の知恵を集めても、苦境を脱することはできなかった。

スーパーリーダーの佐坂さんには申し訳ないが、彼に善後策を託し、メンバーは1時間遅れで登頂開始。ルートは黄色のナイロンテープがコースにあり、わかりやすく、ゆっくりとした昇りの道を上がっていく。鉄塔が第一、第二、第三、第四とあり、樹間の日陰になった道は粘土質で時折滑るが、軽い足取り、重い足取りと人それぞれのペースで進んでいく。植物学博士の石橋さんが、ヤマボウシ、コアジサイ、エゴノキ、ホウノキ、ブナ、コナスリ、ガクアジサイ、ヤマツツジ、マムシグサ、ギンリョウソウ・・・等々道すがらの植物の名を教えてくれるので皆大喜び。今日一日で植物に対する造詣が深まり、無知な友達に披露する時が待ち遠しくなる。特にヤマボウシ、コアジサイ、エゴノキの群落が目を奪い、いい時に来たものだと自分たちの日頃の精進に感謝。

頂上は気持ちよい風が吹き、このニ、三日急に高温になった天候に閉口していた参加者には最高の贈り物。360度の展望にも恵まれ、疲れが吹っ飛ぶ。尺取り虫なのか、ヒルなのか、小さな生き物が動いている。そこで取り出されたのが「ヒルサガリのジョニー」、誰がつけたのか、面白すぎる名前で笑ってしまう。

下りは足取りも軽く、時に軽すぎて、石を踏み違えるハプニングもあったが、ほどよい疲れを感じ始めたときに、マイクロバスのそばに残り、レスキュー活動を見守った後、逆の登り口からやってきた佐坂さんと合流、マイクロバスもクレーン車のおかげで無事方向転回に成功、いこいの森の登山口で冷房を効かせて待機してくれていた。

帰途に、温泉「リラ・ポート」に寄り暫し極楽気分を味わい、高速道を走る車内では、缶ビールの爽やかな音と共に賑やかな宴が始まった。

普段は車での登山行、下山後、登頂を祝す乾杯などとは縁遠く、この山友会のおかげでのんびりと缶ビール大で3本、喉を潤せたことに感謝。田辺着はまだ明るい1850分、ペース配分に気を使っていただいたリーダーの西川さんを始め、みなさん、ありがとうございました。
       
 バス車中よりの野坂岳 第二鉄塔下で休憩  山頂を目指して  昼食
       
 ブナ林が最も美しいところで 山頂を目指して    山頂手前の頑張り
       
 頂上から敦賀湾を望む  三方五湖  エゴノキ  下山中

写真提供:石田さん